TOYOTA FEMALE ENGINEER DEVELOPMENT FONDATION
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生産技術

好きな仕事を
ずっと続けているからこそ、
子どもへ教えられることもある

株式会社ジェイテクト
鋳鍛造生技部 型技術室 主任

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鹿沼 清子さん
[横浜国立大学 工学部生産工学科卒業]

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※記事内容、及び社員の所属、役職は取材当時のものです。

アイデアや技術をギュッと詰め込んだロボットに感動

たまたま、家で見ていたテレビで、日本全国の大学が参加するロボットコンテスト「NHK大学ロボコン(現NHK学生ロボコン)」がやっていたんです。たしか、小学校高学年か、中学1年生のころですね。大学のチームごとに色々なアイデアを凝らした個性的なロボットが対戦するのを見て、純粋に「面白いな」と釘付けになりました。算数や理科は嫌いではなかったし、だんだんと自分の将来を考えるようになっていく中で、気がつけば理系を意識していたのだと思います。それは高校生になっても変わりませんでした。ロボットや機械が、どんな仕組みで動いているのか。初めてロボコンを見た時から、私にとってロボットはとても興味をそそるものであり、大学で機械工学を専攻したことは自然な流れでした。

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迷いなく一直線に機械の道へ
大学1~2年生では機械工学の基礎として、図面のひき方から、機械が動く仕組みや金属材料、温度の変化による金属の組織の変わり方など、一通りを勉強しました。4年生では研究室に入り、一人ずつテーマを持って研究します。まわりで違う研究をしている人が話している様々な専門用語も、当時は何となく聞いていたけれど、就職してから意外に使うことが多くて。言葉だけでも広く浅く知っておけたことは、「ゼロからのスタートではない」という意味で良かったですね。大学で学ぶうちに、私の興味は「マザーマシン」と呼ばれる「ロボットや機械を作るための機械」へ移っていきました。そして、豊田工機(現ジェイテクト)に就職。今、私は「自動車部品を大量生産するための金型」を作る仕事をしています。自動車のタイヤを動かすステアリングシステムや、ガソリンを循環させるオイルポンプなど、金型を通してたくさんの製品に関わることができるのは、機械加工の醍醐味ですね。
先にあるモノを見つめて 安く早く、ただし良いものを
仕事で1番大事なのは、製品をちゃんと要求された品質、精度で作ること。次に大事なのは、メーカーからの要求をクリアした上で、いかに早く少ない手間で作るかということ。作業時間が長くなれば、部品を作るコストが上がり、その分だけ自動車の値段が上がります。自分がしている仕事が先々まで影響するということを考えて、安く早く、ただし良いものを。それを技術で叶えていくところに、やりがいを感じています。
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会社から自宅までは片道約1時間。残業をすると、実家に預けている子どもを迎えに行き、自宅へ帰るのが21時近くになることもあります。子どもとともに遅く帰っても、夫が理解してくれているのは大きいですね。
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職場の気づかいがとても嬉しかった
子どもは、小学4年生の女の子と2年生の男の子がいます。産休・育休は2回経験しましたが、どちらの時も上司が優しい方で、毎月会社の状況を教えてくれたり、書類などを送っていただく時は手書きのメッセージが添えられていたりして、1年ぶりでも復帰しやすかったですね。小さいころはよく子どもが体調を崩して、急に休みが必要になることもありましたが、一緒に仕事をしているメンバーが受け入れてくれたので、とても助かりました。その環境は、仕事を続ける上で不可欠だったと思います。今は子どもが大きくなり、急病で帰ることもなくなってきました。それは子育てをしながら働いてきて感じる、一つの変化。フルタイムで働く今は、学校が終わったあと子どもは実家の親に預かってもらえることも多く、とてもありがたく思います。
働くことで伝えたい 善く生きるために大切なこと
最近のささやかな楽しみは、子どもと一緒にピアノを弾くこと。二人とも、同じ習い事をしているんです。私も小さいころに習っていたので、練習を見てあげながら質問に答えたり、一緒に弾いたりしています。フルタイムで働くということは、子どもにとって母親との時間を少なくしてしまっているということで、その事実は否めません。だから私は働く姿を通して、人の役に立つ大切さや、「生きていくためにお給料を稼ぐのは簡単じゃない」ということ、だからこそ今は勉強しないといけなくて、やりたいことを見つけることが大事なんだよと、子どもたちに伝えていけたらいいなと思います。子どもには、働くことに前向きな気持ちを持ってほしい。私自身が、そう感じてもらえるような仕事ができたらいいなと思います。
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私が選ぶこだわりの道具
何でもメモするノートは、入社したころからの必需品。悩んでいる時、ワーッと意見を書き出して頭の中を整理する時もあれば、単純に人から聞いたことを忘れないためにメモする時も。アイデアや意見を次に活かすための、欠かせない道具です。
ワタシ視点で見る、育成基金のメリット
高校生のころは、理系を選択していても、職業についてよく知っている子は少ないんじゃないかなと思います。だから、育成基金が高校で行っている女性技術者の講演が、仕事を知る一つのきっかけになるといいですね。私はどちらかというと、ロボットに興味を持って一直線に進路を選んできましたが、本当に自分の興味のあることが何かを考えていくことはとても大切です。本やインターネット、学校の先生や、博物館――自分の探究心を追いかけて、人の役に立つ選択をしてください。
上司から一言
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朗らかで、場を明るくしてくれる鹿沼さん。私は、彼女が入社時に受けていた技術研修をたまたま一緒に受けていて、約1年前に直属の上司になりました。根がとても真面目で、ミスも含めて物事を肯定的に捉え、一生懸命に原因を探っていく姿勢は、入社当時から彼女の美点です。まわりが助けようという気持ちになるし、助けられる部分もある。それもあってか、彼女がリーダーを務めるチームは、とても楽しそうにやっています。女性技術者は確かにまだ少数派ですが、取引のある企業様でも、だんだんと女性技術者が増えてきている時代です。どうしても「これまでと違った視点」を、女性に対して期待しているところがありますが、本質は性別ではなく人柄。鹿沼さんのポジティブな姿勢、何事も早めに相談してくれる姿勢が、良い仕事に繋がっていると思います。


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