TOYOTA FEMALE ENGINEER DEVELOPMENT FONDATION

ものづくりの未来像

“ものづくり”だから、
変えられる未来がある。

エネルギー資源の枯渇やCO2による環境汚染は地球規模の問題です。
それらを解決する「先駆者」として開発されたのが、トヨタ自動車から世界で初めて一般販売された燃料電池自動車(FCV)「MIRAI」です。
ガソリンを必要とせず、水素と空気中の酸素との化学反応により発電する電気エネルギーで走り、排出するのは水だけというクリーンなクルマ。
「MIRAIの開発をきっかけに新しい動きが広がっています」。
開発プロジェクトのチーフエンジニアである田中さんは、そう語ります。
そこで、ものづくりだから変えられる未来について、それを実現するエンジニアの思いについて、田中さんに聞いてみました。

トヨタが世界で初めて一般販売した燃料電池車、MIRAI。走行時に排出するのは、水素と酸素が結びついて出来た水だけ。
走行中に、大気を汚染することがない、究極のエコカーと言われています。詳しくはこちら
  • 田中さん
    田中さん

    京都大学大学院工学研究科を修了後、1987年にトヨタ自動車に入社。2012年1月より開発責任者として「MIRAI」の製品企画に携わる。

  • りえ(16)
    りえ(16)

    どちらかというと理学が好き
    性格:まずはとりあえず実験してみる
    趣味:数の子を食べること

  • エリ(16)
    エリ(16)

    どちらかというと工学が好き
    性格:なんでも深く追求する
    趣味:数の子の数を数えること

りえ
「MIRAI」をきっかけに、
世の中はどう
変わっていきますか?
水素は地球上で一番豊富な元素。有望な代替エネルギーだと考えられています。ただ一般的にはなじみがなく、また危険というイメージもあります。クルマは生活にとても身近なもの。「MIRAI」が普及して、水素の便利さや安全性が証明されれば、水素エネルギーが身近なものとなり他の分野にもどんどん応用されていく。「水素社会」が現実のものになっていきます。
田中さん
エリ
えっ?「水素社会」になると未来はどうなるんですか?
水素社会が普及することでエネルギー源の選択肢が広がり、石油などの天然資源の使用量が小さくなれば、もしかすると資源争いによる世界の紛争を減らす事ができるかもしれません。天然資源の乏しい日本では、特に魅力的なこと。2015年には自動車メーカー、ガス会社などのインフラメーカー、政府が協力して、「水素社会実現」のアクセルを強く踏み込んでいます。
田中さん
りえ
なんで、トヨタグループから
世界で初めて「MIRAI」を販売できたのですか?
実は燃料電池の原理はイギリスで200年以上前に発見されていました。トヨタ自動車でもプリウス開発以前の1992年からFCVの研究開発は始まっていたんです。2002年には少数の実験車を市場投入することが出来ました。ただ大変高額で、一般の方が購入できるものではありませんでした。しかし、トヨタの大きな目標である「サスティナブル(循環可能)なモビリティ社会」を実現するためには、世の中に「普及」させることが重要です。そのためには、低価格化にはひらめきやアイデアだけでなく、量産化というものづくり技術が不可欠で、それが一番難しいことでした。だからこそ、「MIRAI」の研究・開発・生産・製造には、トヨタ自動車だけでなく、豊田中央研究所、トヨタ車体、豊田自動織機、ジェイテクト、豊田紡織などトヨタグループのものづくりの技術が結集されているんです。
田中さん
エリ
実際に世の中になにか変化は起こりましたか?
「MIRAI」の一般発売をきっかけに、新たなムーブメントが起きています。たとえば、福岡市が豊田通商などと共同で下水から製造した水素販売のステーションを世界で初めて開業しました。さらにアイシンの家庭用燃料電池「エネファーム」の推進や、豊田自動織機の燃料電池フォークリフトの実証実験開始など、「水素社会」の実現に向かって一歩一歩前進しています。
田中さん
りえ
なんだかほんとに未来が変わりそう!
エンジニアのみなさんは、どんな思いで開発したんですか?
「世界初」を実現するためには、一人ひとりが共有し、全力でめざせるゴールが必要でした。それは、「水素社会の『先駆者』となるプロダクトをつくること」。自分たちがやっていることの意味を胸を張って言えることはとても重要です。時には、設計どおりにつくれない箇所があると、生産現場から言われ、激しく議論し、みんながリーダーとなって開発することができた。リーダーの集まり、「リーダーズ」で開発を進めたことが、未来を変えられるものづくりの大きな原動力になったと思います。
田中さん
エリ
すごい!そんなエンジニアになるには、
なにを学んでいけばいいですか?
画期的な製品を生み出すには、優れたアイデア、形にする開発力、量産化する生産技術が必要ですから、電気、機械、化学など理系のあらゆる知識・スキルが活かせます。また、チームで仕事をしていると、自分の専門分野じゃないからこそひらめく場面も少なくありません。そういう意味では、大切なのは単なる学びの分野よりも、「難しいからこそチャレンジしたい」と思える熱意です。やればやるほどおもしろい。結果が出ればまた挑戦したくなる。そんな想いを持っている方が、優れたエンジニアへと成長していけると思います。
田中さん
りえ
最後に、わたしたち「リケジョ」にメッセージをお願いします!
「MIRAI」の開発プロジェクトでも女性技術者が活躍してくれました。彼女たちは男性が多いエンジニアの世界で、自分の「芯」を持って働く強さと、女性らしいきめ細やかさの両方を持ち合わせています。自動車に限らず、世の中が大きな変化を遂げる中で、女性のしなやかな感性や視点を活かしてほしい。世の中が女性技術者の活躍に期待しています。ものづくりだからこそ変えられる未来を、一緒に切り拓いていきましょう!
田中さん

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