TOYOTA FEMALE ENGINEER DEVELOPMENT FONDATION
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分析・試験

求められる品質や
愛知製鋼だけの技を守る仕事は、
一途な私にぴったりです!

愛知製鋼株式会社
技術本部 分析・試験室

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金田祥江さん
[愛知教育大学大学院理化内容学(物理) 修士了]

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※記事内容、及び社員の所属、役職は取材当時のものです。

苦手の数学を克服して、憧れの研究の道へ

小中学生の頃は現代国語が得意で、数学は苦手。特に暗算は大の苦手でした。でも、理科の実験は大好きで、氷水に塩を加えると温度が急激に下がる実験では、先生がオレンジジュースでアイスキャンディーを作ってくれたのが嬉しくて、今でも鮮明に覚えています。そんな私が理系を意識したのは中学3年生の進路相談のとき。「将来、どんな仕事がしたいのかな」とさまざまな職業に目を向けた中で、研究の仕事は「理科の実験みたいだな」「これならできそう」と魅力を感じました。しかし、高校に進学してからも相変わらず数学は苦手。現代国語や古文など文系科目の方が得意でしたが、それでは研究の道に遠のいてしまうと思い、数学や物理などの不得意科目は先生に教えてもらう時間を増やしたり、ひたすら反復演習を繰り返したりしました。こうして苦手から逃げずに、文理選択では理系を選択しました。

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研究室の恩師の言葉が、分析の仕事をめざすきっかけに
大学では物理を専攻。その後、大学院に進学して、「ナノトライボロジー」と呼ばれる摩擦の研究をしていました。摩擦現象を原子同士の動きから実験して、超潤滑系の基礎や摩擦特性、ナノスケールの力学的特性を評価。その実験のなかで、C60フラーレンという直径わずか0.71nmの炭素の球状同位体を真空蒸着させる試料作成があるのですが、1層だけの表面を蒸着、作成させることが非常に難しくて、何度も何度もトライして、とても苦戦しましたね。また日本物理学会の学会発表にも参加させていただくなど、いろんな経験をさせてもらいました。愛知製鋼への入社を考えたのは、研究室の恩師から「装置の扱いが上手」と褒められたのがきっかけ。「測定」の仕事なら、業種も幅広いので、分野にこだわらず就職活動をしました。中でも愛知製鋼は研究室の先輩が何人か就職しており、その中には女性もいて、女性技術者として成長できそうな会社だなと思ったのが入社の決め手になりました。
あらゆるシーンで役立つ、コミュニケーション能力
実は私、大学時代に教職課程を履修し、教育実習も経験しているんです。愛知製鋼では、地域貢献活動の一貫として、市内の小学校で「鉄の教室」という出張授業を行っており、私も講師としてお話しさせていただく機会があります。会社の中では当たり前に使う言葉も、子どもたちに理解してもらうにはどうやって話せばいいのかなと考えるときに、大学時代に培ったコミュニケーション能力がいきています。子どもに限らず、相手にどう伝えるかは仕事上で欠かせない重要なスキル。あらゆるシーンで役立っていますよ。
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社内での分析評価の業務だけでなく、海外企業の技術支援も私たちの仕事。過去にインドのウッシャー・マーティン社と技術支援契約を結んだ際には、当社にお越しになったインドの技術者に対し、私たちが技術指導を行いました。
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見えない仕事だからこそ、自分への厳しさが大切
現在は品質保証に関わる試験・分析を行っています。鋼はカーボン、シリコン、マンガンなど鉄以外の成分含有率によって特性が変わり、一言で鋼と言っても、メーカーによって品質がまったく異なります。その成分分析は、料理で言うならレシピのようなもの。愛知製鋼だけの秘伝のレシピを伝承し、よりよい鋼種をつくるにはどの成分がどのくらいのパーセンテージで必要なのか。それを見極める技術や装置は会社の命と言っても過言ではありません。そこで私は、鋼の成分分析に関わる設備の導入や分析法の開発を担当すると同時に、現場に何度も足を運び、分析中の音や臭いなどにも五感を研ぎ澄ませ、現地・現物・現象を大切にして技術を身につけるよう努力しています。さらに今は、立ち上げが最も難しいと言われる分析装置の導入プロジェクトに挑戦中。新しい装置が、当社が求める精度で分析できるようにカスタマイズするには、何万通りもの分析式を計算し、最適な式を見つけ出さなければなりません。絶対的な品質を守るため「これでいいや」は許されず、大変な面も多いですが、一途でこだわりが強い性格の私には、向いている仕事だと感じています。
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いつも笑顔にあふれた明るい職場が自慢です!
男性が多い職場ですが、みんなとても優しくて、仲が良いのが自慢。午後2時からのチームミーティングでは、コーヒーを煎れて、和やかな雰囲気で話し合っていますが、実はこのコーヒーにこだわりが…。上司のアイディアで、インスタントコーヒーではなく、コーヒーメーカーで人数分ドリップしています。そうすれば、「みんなで一緒に飲みましょう」と一斉にテーブルに集まることができ、美味しいコーヒーで笑顔も広がります。また、職場の慰安旅行だけでなく、キャンプやバーベキューなど有志で集まることも多く、過去には職場の仲間と富士山登山に挑戦し、無事、登頂を果たしました!さらに写真好きな方が多く、みんなで楽しんだ様子を収めた写真を、後日、職場で見せ合うのが恒例。みんなの写真に刺激されて、つい最近、ミラーレスカメラを購入してしまいました(笑)。こんな明るい雰囲気の職場で、これからは担当分野の後輩や女性技術者を育てる立場として、成長していきたいです。
私が選ぶこだわりの道具
デスクの引き出しのひとつは癒しグッズスペース。仕事に疲れたり、分析で悩んだりしたときは、この引き出しを開けて、好きなお菓子でリラックスしています。社内の売店で購入したアイテムが多く、中でもチョコレート菓子がお気に入りです。
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ワタシ視点で見る、育成基金のメリット
私が学生のみなさんに伝えたいことは、協調性は社会人として大切なことですが、今はまわりに流されずに、自分がなりたいと思ったことに向かって進んでほしいということです。なかなか自分の将来について具体的に考える機会は少ないかもしれませんが、トヨタ女性技術育成基金は、高校生や大学生に向けて、理系の仕事について伝える場をたくさん設けていますので、そうした機会を積極的に利用してみるのもいいと思います。
上司から一言
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芯が強く、伝えるべきことはしっかり言葉にできる人ですから、安心して仕事を任せられます。職場では我々が気付かないところにも配慮してくれて、チームを明るく盛り上げてくれます。チームをよりよい方向に導きたいという気持ちにあふれ、時に上司や先輩を動かすこともあるほどですよ(笑)。何よりも、仕事が丁寧で、妥協を知らないのが彼女の持ち味。一つひとつのプロセスに手を抜かず、分析の精度を高める分析の仕事には非常に向いていると思います。今後、さらに知見を広げ、技術者としての成長を期待する一方、彼女には管理マネジメントの分野でも活躍してもらいたいという気持ちもあります。いずれにしても、これからはさらに広い視野を養うことが大切。愛知製鋼の女性技術者の先駆者となり、技術者としても、リーダーとしても、会社になくてならない存在になることを期待しています。


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