奨学生の声 Interview
シロアリのDNA?植物由来の材料?
トヨタグループの意外な研究に
将来の可能性が広がりました。
早稲田大学 先進理工学部 電気・情報生命工学科
Mさん
学科の授業はとても幅広く、実験はその度に驚きがあるという。「本やテレビで見たことのある専門技術を、実際自分が試していると思うと嬉しいですね」と笑う。
※掲載内容は取材当時のものです。
電気・情報生命工学科
生命科学、電気、電子、情報などの領域を学び、太陽光発電、脳の活動・機能、次世代エネルギーなどさまざまなフィールドで最先端の研究に取り組みます
- 理系に進んだきっかけ、この学部・学科を志望した理由を教えてください。
-
父の影響で農学部を志望していましたが、
興味ある分野を幅広く学べるこの学科を選びました。理系科目は答えがひとつ。だから好き。国語などの暗記よりも、考えながら解いていける数学や生物、化学のほうが得意でした。さらに父が農学部出身で農業関連の仕事をしている影響もあるかも。幼い頃から、一緒にドキュメンタリー番組を見て「野菜の品種改良」に興味を持ったり、食卓に新種の野菜が並んで驚いたり。「品種改良でお芋ってこんなに甘くなるんだね」と家族で会話をしていたのを覚えています。
そんな環境で育ったので、最初は農学部への進学を考えていました。でも、指定校推薦の選択肢にあった「電気・情報生命工学科」という学科名にふと惹かれて。調べてみると、生物だけでなく、物理や電気、情報など幅広く学べることがわかったんです。「農学だけでなくいろいろな分野に触れられれば、将来の可能性も広がるはず」と、この学科を選びました。いま、興味があるのは、生物の実験で学んだ「DNA」。でも、まだこれから、さまざまな学びで知識を蓄えながら、じっくりと自分の専門分野を探していきたいと思ってます。

- なぜトヨタ女性技術者育成基金に応募しようと思ったのですか?
-
クルマだけじゃない、トヨタの最先端の研究を知り、
「自分がやりたいことに近いかも」と応募を決めました。父が新聞記事を見つけて勧めてくれました。両親もわたしも、トヨタで活躍する女性技術者に会うことができる「育成プログラム」に関心を持ちました。就職を本格的に考え出す3、4年生でしかできない経験を、1年生から体験できる。それが、一番のポイントでしたね。
さらに、意外な発見がありました。トヨタグループについて調べるうちに、「豊田中央研究所がシロアリの遺伝子の研究をしている」という記事を見つけたんです。「トヨタグループはこんな研究をしているんだ!これは、まさにわたしがやりたいことかも!」とワクワクしました。また、「目の動きを察知して居眠り運転を防止する技術」や「植物由来の高い強度を持つ材料開発」など、クルマの他にも興味深い研究をしていると知り、「いろいろな話が聞ければ、将来の展望が広がるかもしれない」と、応募してみたんです。

- トヨタ女性技術者育成基金を通してどのような経験をしていきたいですか?
-
企業で働く女性技術者の「実情」を知りたい。他大学の理系女子との交流もとても楽しみです。
女性技術者、特に自分と年齢が近い先輩に、入社のきっかけややりがいなどを聞きたいですね。また、男性が多い職場で、女性がどんなふうに働いているのか。いい点も悪い点も含めて、「企業の実情」を知りたい。「大学時代にこういう経験をしておくべき」という体験談も、学生生活の参考にできたらと期待しています。
いまのところ「DNA」が関連する農業技術や環境分野に興味はありますが、まだひとつに絞らず、幅広いフィールドの先輩方からいろいろな話を聞き、視野を広げながら、じっくり将来のことを考えて、3年生で研究室を選んだり、大学院に進学するかどうかを決めたりしていくつもりです。
また、学科には意外に女子がいるのですが、他大学の理系女子とは交流がないので、いまから会えるのが楽しみです。目標は「育成プログラムでメンバー全員と話すこと」。これをきっかけに、励まし合っていける仲間をたくさんつくりたいと思います。