TOYOTA FEMALE ENGINEER DEVELOPMENT FONDATION
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生産技術

「ありがとう」と言われたら、
考えることが、もっと楽しくなった。

豊田合成株式会社
SS生産準備部 試作技術室

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井添 希久代さん
[静岡大学 工学部物質工学科 卒業]

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※記事内容、及び社員の所属、役職は取材当時のものです。

宇宙飛行士とか医者とか、理系の方が大きい夢が描ける

5つ歳の離れた姉がいるのですが、中学生だった私の家庭教師をしてくれていた時に「希久代は理系に進んだ方がいいね」と言っていたのです。今思えば、それが理系に興味を持ったきっかけでした。高校生になって理系を選択したあとも、性格的に白黒つけたいタイプというのもあって、明確な答えの出る理系科目は性に合っていましたね。将来の夢も、小さい頃は「宇宙飛行士になって宇宙から星を見たい」とか、医者に惹かれていた時期もあったかな。実現はしないと思いながらも夢は大きく持つ子どもでした。高校生になってくると、ダイオキシンなど環境問題への関心が高まってきて、先生と相談して化学の道に進むことを決めました。振り返ると、興味のすべてが理系にあった。具体的に何かに役立つ知識なので、将来の夢も描きやすかったのだと思います。

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厳しく学んだ研究室での日々が、私の基礎になっている
男性の多い工学部に進学することも、私自身はあまり気にしていませんでした。世の中では女性の先輩方がすでに活躍していて、進路選択に性別は関係ないという意識が根づいていたし、先生たちも背中を押してくれたからです。あえて男女差を感じた出来事をあげるとすれば、受験で大学を訪れた時にトイレが男女共用だったことには驚きましたね!入学後は、きちんと女性用のトイレができていたのでホッとしました。大学も、女性を受け入れるための過渡期にあったのだと思います。大学では、一人ひとりがテーマを持って研究します。教授が私に与えたのは、有機物と無機物を合成した、地球に優しい新しい物質を生み出す研究。研究室の中でも数少ない女性として、私にしかない目線で、新しい発見をしてくれると期待してくれてたのかもしれません。「厳しくて女性は必ず泣かされる」と有名な教授でしたが、時には助言もくださり、先輩たちも研究をよく見てくれました。何度も試行錯誤を繰り返す毎日が好きで、「この経験や知識を活かしたい」と、豊田合成への入社を決めました。
今なら自信を持って「その勉強活かせるよ!」って言える
入社して驚いたのは、中学校や高校で勉強した数学や物理の知識が役に立ったこと。学生時代は、微分積分や、三角関数のsinθ、cosθ、tanθなんて、「どこで使うの!?」と思っていたけれど、意外に使っています。だから、昔の自分には「もっと頑張って!」と言いたいですね。理系の仕事に就きたいなら、その時は役立つか分からない勉強でも「やっておいて損はない」と今なら強く言えます。
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「検証会」ではさまざまな部署の人に集まってもらい、製品 や設備の具体的な方向性を決めていきます。その意見をも とに行う実験を「トライ」といい、1つの製品に8~9カ月は向 き合っています。
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感謝の言葉が、次の仕事につながっていく
入社して、私も12年目。エアバッグの設計・開発業務を行うセーフティシステム技術部を7年間経験してから、今は、新しいエアバッグを実際に量産していくための設備を設計・開発する仕事をしています。「どういう作り方をすれば、1日に1000個作れるか」「どうすれば、性能を損なわずに作れるか」、自分だけで考えるのではなく、製品の設計者や工場で実際に設備を使う人たちの意見も取り入れながら進めます。当然、私より年上の人が多い中で、意見をまとめて提案して、巻き込んで一緒にやっていくためには、ある程度のリーダーシップが必要。でも、完成した設備が実際の工場で動くようになった時に、現場の監督者から「ありがとう、良くなったよ」なんて言われると、嬉しくて次も頑張ろうと思えます。
できるだけのことを全力でやる。今も、この先も。
結婚して約4年。結婚前は実家暮らしだったので、家に帰ったらごはんとお風呂が用意されていました。でも、今は自分でやらなくてはいけないので、仕事の効率化を強く意識しています。休みはしっかり取って、夫と一緒に旅行や釣りに出かけます。
ゲームは毎日やるほど好きですね。豊田合成は男性が多いからかゲーマー率も高いので、お世話になった上司や違う部署の同僚ともネットワーク通信で遊んでいます。こういう共通の話題があるのも、男性社会にも溶け込めている理由の一つかも。一方、女性の同僚とは、少数派だからこそ結束は強いですよ。仕事や結婚、出産のこと――やっぱりみんな気にしていますが、最後はいつも「その時に、できるだけのことをするしかないよね!」というのが結論。子どもができたら、育児休業や時短勤務も利用するのだろうけど、どんな生活になるのか想像ができない。私も「その時できるだけのことをしよう」と思っています。
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ワタシ視点で見る、育成基金のメリット
技術者に興味はあるけれど、学費が心配な人には嬉しい取り組みだと思います。若い女の子たちにとって、技術者について興味を持つきっかけになれば嬉しい。きっと、理系の良さを知る機会がなく、なんとなく文理選択をしてしまう子も多いと思いますが、「こうなりたい」と意思のある人ほど、仕事にもやりがいを持って取り組んでいる人が私の周りには多いと感じます。基金が、自分の進む方向を考える一つの機会になるといいですね。
上司から一言
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現部署の設立メンバーとして異動してきた一人が井添さんでした。部署内に女性エンジニアは、彼女一人だったので最初は心配しましたが、元気で明るい彼女と仕事をする中で、取り越し苦労だと気がつくのに時間はかかりませんでした。「女性だから」と過敏に意識することこそが、壁を作ってしまうのだと教えられました。彼女は前の部署でエアバッグ製品の開発・設計を行っていたので、その後工程となる今の部署では、その知識やノウハウを思いっきり活かして良い取りまとめ役になっています。リーダーの資質もあり、製造の改善活動では、生技・製造メンバーを従えるように先頭を歩く彼女の姿を目撃し、頼もしくも感じました。製造現場からの信頼感、物怖じしないコミュニケーション能力、すべては彼女自身の努力で培ってきたものです。機会を活かして成長し続けて、良いリーダーになってください。


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