TOYOTA FEMALE ENGINEER DEVELOPMENT FONDATION
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知的財産

仕事も、人とのふれあいも
続けるからこそ
見えてくるものがある。

株式会社豊田自動織機
技術・開発本部 知的財産部 知的推進第一室
知財第2グループ 主担当員

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今福 真紀子さん
[早稲田大学大学院 機械工学専攻 修士了]

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※記事内容、及び社員の所属、役職は取材当時のものです。

解決までのドキドキ感がたまらない!
アニメや推理小説が好きだった子ども時代

私が子ども時代を過ごした1970~80年代は、テレビアニメの全盛期。学校での話題も前日のアニメの話がほとんどでした。中でも私は変身ヒーローものが好きでした。ある作品で女性の隊員が活躍している姿を見て「こんな風に機械を操作したり、いろいろなデータを分析したりできたらいいな」と、漠然と感じていましたね。「かわいい」より「かっこいい」に魅力を感じていたんだと思います。また、読書の好みにも理系の兆候が。恋愛小説よりも、推理小説が好きだった私は、本を通してたくさんのトリックと、それを見破る名探偵の推理に出会いました。どんなトリックも、状況を整理して論理的にひもといていけば、必ず解き明かすことができる。そのプロセスが面白くて仕方ありませんでしたね。

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将来を不安に思うより、今だからできることを楽しもう
高校時代は迷わず理系を選択し、将来は好きだった数学を専門にしたいと、数学科のある大学を数校受験しました。でも、合格したのは機械工学科。少し不本意な気持ちもありましたが、4年間、様々な機械の原理や機構について学ぶことができ、豊田自動織機に就職してからも、学生時代の知識はかなり役立っています。また、ゼミは応用数学が学べる研究室を選択したことで、大好きな数学も突き詰めて学ぶことができました。大学選びは、将来の道を決める上でとても重要ですが、就職のために大学に行くわけではありません。若い方にも本当に自分の興味のある分野で学んでほしいですね。また、機械工学を専攻した私は最終的に知的財産部でキャリアを積むことになりました。人生、何があるか分からない、それだから楽しい。将来のことばかり気にしないで、いろいろな出来事との出会いを楽しんだらいいのだと思います。
女性でたったひとりの柔道部員
男性と女性の考え方の違いを感じた
学生時代は柔道部に所属して部活動も楽しみました。女性部員は私ひとり。そんな女性が少ない環境にも関わらず3年間続け、初段をとるまでに。授業でも、研究室でも、部活動でも、男性が多い中でやっていくのには慣れましたね(笑)。同時に、男性と女性では考え方や行動の仕方が異なることにも気づきました。男性は目上の人から受けた指示に対しては、それを受け止めて行動する、いわば「組織」を意識した行動をします。一方、女性は親しい人などから言われたことはやる反面、嫌いな人から言われたらあまり動きたがらないなど、感性で動く。それぞれの持ち味があるんですよね。それをうまく生かしてチームワークできるといいなと思いました。
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特許の出願に関する相談受け付けでは、技術者の方とお話しする機会が多く、技術に関する知識以外に、コミュニケーション力が大切。いまや海外に出願するケースも多いですから英語が好きな人にも向いている仕事ですよ。
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入社時から“知財”一筋 自社の技術の「いいところ」を見つける
知的財産部の存在を知ったのは就職活動を始めてからでした。主な仕事内容は、技術部が作成した発明報告書をもとに特許技術を理解し、出願書類を作成すること。出願書類の作成までには技術そのものや、それを製作した背景、業界のトレンドなどについて何度もヒアリングを重ね、自社技術の独自性を見出していきます。中でも心に残っている仕事は2006年に携わった電動フォークリフトの駆動用インバータ(※)に関する仕事。まず、技術部のメンバーと一緒に、約50,000件の、既に出願されている他社の特許を洗い出しました。そこから約20,000件まで絞った後、他社製品の特徴と細かく突き合わせながら、自社製品ならではの強みは何なのか、検討を重ねました。膨大な件数の特許を調べ、最終的に自社の技術領域を守る知的財産群を確立することができて、この上ない達成感を感じることができました。
※モーターの回転速度を変えて駆動するための重要な装置。 直流電流を交流電流に変換したり、電圧をコントロールする働きがある。
「結婚して子どもができても仕事を続けたい」 娘の言葉を胸に、
これからも歩んでいきたい
気づけば20年以上、知的財産部で仕事を続けてきた私。家庭との両立もなかなか大変でした。それでも、一つひとつ目の前にあることを地道にやっていったら、もう娘も大学生になりました。最近は、月に一度、東京にいる娘のところへ出かけるのが楽しみになっていますね。ある時、娘が言ったんです。「結婚しても、子どもが生まれても、私は仕事を続けたい」。女性が仕事を続けることを前向きにとらえていてくれて、なんだか嬉しくなりました。こうして子どもが手を離れ、時間にもゆとりができたので、これからまたいろんなことに挑戦してみたいと思っています。会社でも、新しい仕事や人材育成に関わる仕事ができるといいですね。私が入社した頃と今とでは、社会背景は違うけれど、人間はマニュアルだけで成長するものではない、ということは変わらない。自分で考えて仕事をする大切さ、多くの人とコミュニケーションをとって議論する楽しさを伝え、人と人とのふれあいを通して成長していく人たちを見守っていきたいと思います。
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月に一度、東京の大学に通う娘に会いに行くのが楽しみです。
ワタシ視点で見る、育成基金のメリット
私も学生時代、奨学金を受給していました。自立した考えを持ち、「自分が好きなことを自分で学ぶ」ために、なくてはならない制度ですよね。特にトヨタ女性技術者育成基金は、女性技術者を目指す多くの女子学生の力になるものだと聞いています。ひとりの女性技術者として、同じ道に進む若い人が増えることはとても嬉しいですし、若いうちから情熱を持ってがんばる女性は、将来の日本にとって大切な財産になると思います。
後輩から一言
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今福さんは知財第2グループのリーダーとして、部長、室長などからの指示を私たちメンバーに分かりやすく伝えてくださいます。上司にも部下にも、また、他部署の方にもフレンドリーで話しかけやすい雰囲気をつくってくださるため、いつもコミュニケーションがスムーズですね。また、雰囲気づくりだけでなく、特許出願の際に重要な考え方についても教えていただきました。特許は書面にまとめて申請するため、その書き方によって権利の範囲を広く、強いものにすることができる。今福さんは、技術の「強み」をできるだけ多く捉えるための「多角的な視点」と、それを書面にする際、伝わりやすい表現のしかたを示してくださいました。普段のコミュニケーションでも、特許出願でも、必要なのは広い視野であるということ。それを「指導」というかたちではなく、自ら動いて行動で示してくださる今福さんと一緒に、これからも知的財産部を盛り上げていきたいです。


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